大阪市の歴史(1)

大阪平野は淀川や大和川などから流れてきた沖積平野で、北、東、南は山に囲まれ、西は大阪湾に面しています。

現在の大阪府域には、1万年以上も前から人が住んでいたといわれています。大阪府各地で縄文時代や弥生時代の遺跡が発掘されています。飛鳥・奈良時代は仏教が盛んになります。この頃、聖徳太子によって大阪市天王寺区にある四天王寺が建てられました。そして、大阪の歴史を語る上で外せないのが大化の改新です。大化の改新によって645年に奈良県の飛鳥板蓋宮から大阪市内の難波の宮に遷都しました。

安土・桃山時代には大阪にて豊臣秀吉が天下を統一します。秀吉が築いた大坂城は3万人の人夫を使い、15年の歳月を費やして完成しました。大坂城の建築と並行して大坂の町がつくられ、各地から商人が集まりあらゆる産業の中心となり、城下町として栄えました。

大坂冬の陣・夏の陣で豊臣家が滅びた後の江戸時代に、大坂は『天下の台所』と呼ばれる国内最大の経済都市となります。全国の藩から年貢米などが中之島(現在の大阪市北区)や堂島川に運ばれ、堂島の米市場(現在の大阪市北区)の相場によって取引されました。米だけでなく、大豆や菜種、綿実なども大坂に集まり、食用油などに加工され大坂から各地へ出荷されました。

大坂は商業だけでなく、文芸でも発展しました。大坂からは井原西鶴や近松門左衛門などの逸材が誕生しています。経済力を備えた大坂の人々により、文化面も発展していったのです。