離婚を目的とした妻の浮気調査が最善とは言えない理由

妻に浮気をされたらどうするか。人によって行動は異なりますが、感情的になって離婚を持ち出すと結果として失うものが大きくなってしまう場合があります。「浮気をされたのは僕の方なのに…」「被害者が損をするのは割に合わない…」と思うかもしれませんが、残念ながら現実は厳しいと言わざるを得ません。「妻の浮気を暴いて離婚してやる!」と意気込んで妻の浮気調査を依頼する方もいらっしゃいます。しかし離婚を目的とした妻の浮気調査が最善とは言えない理由について今回は解説します。

妻の浮気調査を探偵事務所に依頼し証拠を集めると、依頼者は離婚をするかしないかの主導権を握ることができます。さらに浮気をした妻と不倫相手から慰謝料を取ることもできます。
しかし、離婚によって失う可能性の高いものもあることを忘れてはいけません。子どもがいる場合、浮気をしたのが妻であっても、親権は母親に渡ることがほとんどです。妻が子どもを虐待するなど致命的な問題があれば、依頼者である夫に親権が渡る場合もありますが、それ以外のケースで親権を争うと母親が有利になるのが現状です。
妻の浮気調査で離婚にまでこぎつけたものの、その後は子どもたちと会うことが制限され、養育費の支払いもしなければならないという結果になるのです。

妻の浮気調査で得られた証拠をもとに離婚した場合でも、財産分与は原則的に折半することになります。妻の浮気が原因でも財産分与は別問題として扱われるのです。
とはいえ、妻の責任を追及して財産を受け取らせないという方向に持っていく事も可能ではあります。例えば妻が浮気相手と一緒になる意思がある場合は、「財産はいらないから離婚しましょう」と言われることがあります。
もしも妻の浮気相手から慰謝料を取るつもりであれば注意が必要です。妻に財産分与を行わずに離婚した場合、浮気相手から慰謝料を取れなくなることがあるからです。妻に財産分与をしなかったことが慰謝料の支払いに当たると主張されることがあるのです。
浮気相手から慰謝料を取る予定であれば、離婚前に慰謝料の請求を行う必要があります。

妻の浮気調査が離婚で終わった場合、依頼者である夫の側に失うものがかなりあることがお分かりになったでしょうか。
被害者なのに親権を失い、養育費の支払い義務が生じ、財産を半分持っていかれ、慰謝料を十分に取れないことがあるなど、割に合わない結果になる可能性があるのです。離婚を前提に妻の浮気調査を依頼される方がいらっしゃいますが、妻の浮気調査には復縁や慰謝料を取ることを目的にしたものもあります。妻の浮気調査中に依頼者の気持ちが変わることもあるのです。
「妻の浮気調査=離婚」ではありません。他にも選択肢があることを忘れないでください。信頼のおける探偵事務所に妻の浮気調査を依頼して、経験豊富な探偵からアドバイスなどを聞き依頼者にとって最善の方法をじっくりと考えることをおすすめします。