探偵になるには

世界で一番最初の探偵はフランス人のフランソワ・ヴィドックという人物です。フランソワは元々は泥棒でした。脱獄と変装のプロで、その腕と知識を買われて秘密警察の一員となり、のちに探偵となります。様々な推理小説家に影響を与えた人物だといわれています。

調査をするという意味では、もっと昔から探偵のような仕事は存在していました。日本でいえば忍や山伏などが頼まれごとを調査して情報のやり取りをしていたと言われています。

日本では明治25年に、大阪で初めての興信所が誕生しました。銀行からの出資で作られ、企業を調査するためにできました。浮気調査や素行調査などが目的ではなかったのです。その後、徐々に個人を対象とした調査員も増えていき、現在のような探偵業が増えてきたのは第二次世界大戦後といわれています。

探偵になるために必要な資格などはありません。開業するには公安委員会に届けを出す必要がありますが、探偵になるための特別な知識などがなくてもなれます。

しかし、現在は探偵になるための専門学校があります。就職先のサポートをしてくれる学校もありますから、探偵を目指す方はそういったことも含めて検討してみるのもいいでしょう。

一見、簡単に探偵になれそうではありますが、実際は調査や尾行の技術を習得することは容易ではなく、辞めてしまう人も多いです。小説やドラマ等で探偵に憧れたものの、実際になってみたら依頼人が求める調査結果を出すことの難しさや大変さを感じて辞めてしまうのです。調査のために長時間出歩くことがありますから体力が必要ですし、状況によって臨機応変に行動を変えるなど、度胸や知力も必要なのです。

つまり、探偵に向いている人というのは、体力に自信があり、人とのコミュニケーションを積極的に取れる能力がある人だといえます。また、調査対象者の行動をよく観察するといった洞察力も必要です。尾行といっても簡単なものではありません。自然な行動を装いながら歩き、見失わないようにすることには練習が必要です。また、車での尾行もありますから、運転技術も必要となります。

浮気調査など、探偵は人の嫌な部分を見ることも多いです。それなりに人生経験を積んでいることもまた探偵に向いているといえるでしょう。